6月10日は日本ではただの日曜日でしょうが、国民的英雄のパッキャオの試合がある特別な日でした。日本でボクシングはそれほど人気がないこともあり、パッキャオもあんまり知られてないですが、映画館でパブリックビューイング、試合中は犯罪がゼロ、ボクシング8階級制覇、昨年の年収300万ドル(おそよ27億円)、現役の国会議員など比類なき活躍をしているボクサー。パッキャオの試合は国民的行事と言ってよいほど注目度が高く、日本で言うとサッカーのワールドカップみたいな感じです。
僕がボクシングを好きになったのは10年くらい前ですが、こんな貴重な経験はないのでSMバギオ(フィリピンにおけるイオンのようなもの)でのパブリックビューイングに行ってきました。
チケットカウンターにもこうやって特集されてます。
WBOウェルター級チャンピオンシップ
マニー・パッキャオ対ティモシー・ブラッドリー
チケットは400ペソ(約800円)、マクドナルドの時給が50ペソ(100ペソ)のこの国ではかなりの高額。テレビで放送してることもあり、わざわざ日給に近い金額を払って映画館で見るのはかなりの好きもの、中流階級以上、もしくは海外からの仕送りがある方々と思われます。
記念グッズ1 Tシャツ 一枚110ペソ(約220円) 安かったので2枚買いました。
記念グッズ2 特性タンブラー 横のホットドッグ、中身のコーラとセットで150ペソ(約300円)
チケットの金額もありどの程度人が集まるのか疑問があり、前座の試合まだそれほど人は集まってませんでした。それでもパッキャオの試合が始まる頃には、おおよそ200名ほどの観客が集まってました。SMシネマでは4つのうち2つがパッキャオの試合だったので、SMバギオには恐らく400名程度が集まってたと思います。
パッキャオのメインイベントはWBOウェルター級のベルトがかかっていて、試合前にフィリピン国歌斉唱がありました。観客が全員起立し、胸に手を当ててる人もいてフィリピン人から愛国心を感じると同時に、フィリピン国歌が終わりアメリカ国歌がはじまると全員座ったところに少し違和感。試合会場だと両方の国歌が終わるまで起立してるのが常識のはずだけど、ここはフィリピンのパブリックビューング会場だからそのへんは緩いのかもしれません。日本だとどういう風になるのかと思ったり。
試合が始まると、最初のラウンドはパッキャオが攻勢、良いパンチには歓声をあげラウンドが終わると拍手してて会場は盛り上がっていました。前半はパッキャオがいいパンチを当てて優勢に試合を進めてたので、6ラウンドまではラウンド毎に拍手があったと思います。
7ラウンドはブラッドリーがボディを打ちだし試合の流れが変わっていき、パッキャオにいい場面がそれほど見られなくなると観客も声をあげず静かに試合の様子を見守ってました。12ラウンド終了後、まさかの2対1の判定負けを喫すると葬式のような空気に。
パッキャオは試合後、スタッツを自身のFacebookページにあげており、そこによるとデータ上ではパッキャオが優勢だったことがわかります。
パッキャオが勝っていたという声はいくつもあるようで、パッキャオの母親が「勝利を盗られた」と言ってたり、パブリックビューイング会場では判定に対してブーイングが起こったと書いてます。
「パッキャオの試合どうだった?」と数人のフィリピン人に聞いたらこんな感じでした。
・議論を呼ぶ判定、ボクシングは死んだ。マルケス戦は負けでも受け入れられたけど、この判定はおかしい。
・俺はフィリピン人からかもしれないが、パッキャオの勝ちだと思った。4ラウンドはダウン寸前まで追い込んだだろう?
・負け。特に後半が全然良くなかった。
・僅差だったし惜しかった。
僕はラウンド毎に採点をつけていたわけではなく、現時点では試合をもう一度見れないので採点に何かいう事は出来ませんが、年齢や国会議員など多忙なスケジュールにより衰えが感じられるのは正直なところです。実際、国会議員になって以降の試合では階級をあげたことも関係ありますが、試合のパフォーマンスが落ちており勝利もKOではなく判定によるものです。
国会議員の代わりはたくさんいるし、ボクシング引退してからいくらでも出来ますが、ボクサーパッキャオは歴史上にも世界中にもパッキャオ自身しかいません。国会議員を辞めてボクシングに専念して欲しいのが全世界のボクシングファンとフィリピン国民の願いでしょう。
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